卒業試験

今日は大学卒業試験。4年間本当によく頑張ったと言いたい。終わりのない高みに臨むことは時としてモチベーションのキープが難しい。「この辺でいいかな」という甘えが誰でも出てくるし、ある意味そのまま、まかり通ってしまう。しかし「このままで駄目だ。もっと上手くなりたい」という気持ちと努力を重ねること、これさえあればいくらでもその高みに上っていくことができる。

要するにとても自由なのだ。これは人生の縮図とも言える。どう生きるかは自分の自由。この辺りのレベルでいいのか、それともさらなる別のレベルを目指すのか。

あらゆる程度の選択肢がほぼ全て自分に委ねられる、これは一見自由で素晴らしいと感じるが、逆に言えば「怖い」ことでもある。

結局のところ自分の取り組みは全て自分に返ってくる。どの道でも同じことだ。

薄皮一枚一枚を重ねていく気の遠くなるような地道な練習。他人と比べるのではなく(比べてしまう自分が存在するのも事実だが、比べたところで上手くならない。もちろん比べることで気づかされることもあるが、結局は自分で練習しなければ身につかない)、自分と比べること(自分がどうしたいか、何を求めているか)、最大の敵は自分自身に潜んでいるもう一人の自分であること、それらを痛感させられる音楽大学という場所。

経験という事実は決して消えない。それがどの様に活かされるかは今後の生き方次第。

卒業する生徒とは大学のいつものレッスン室で時間を共有することはない。それはある意味寂しい気もするが、僕らは「音楽」を通してもっと深く様々なエッセンスを共有したはず。そして「奏でること」でこれからも思い出と共に共有することができるはず。

「小さな変化に大きな感動」この価値を真に理解することで、今生きている一瞬一瞬が輝き始めるだろう。素晴らしい明日を迎えるために。これは決して大袈裟な話ではない。

carpe diem





追加公開レッスンの詳細

武蔵ホール with Bechstein D280
2月13日(土)に決定した追加公開レッスンのスケジュールは以下の通りです。もちろん聴講も大歓迎です。是非、生徒やお知り合いの方々をお誘い合わせの上お越しください。楽譜、またはノートなどをご持参されるのをお勧めします。


お問い合わせ…武蔵ホール

 ユーロピアノ株式会社  ベヒシュタイン武蔵ホール
 支配人代理 白水公美子(Kumiko Shirouzu)
 〒358-0011 埼玉県入間市下藤沢494-1 5F

 「武蔵ホールgooglemap」

  TEL:04-2962-5668 / FAX:04-2946-7847
 火曜日定休


【2016年2月13日(土)レッスンスケジュール】

公開 9:00- 9:50  ベートーヴェン/ピアノソナタ第8番「悲愴」作品13 2,3楽章

非公開 10:00-10:50   

非公開 11:00-11:50   

~休憩~(70分)

公開 13:00-13:50 ベートーヴェン/ソナタ第8番「悲愴」作品13全楽章

公開 14:00-14:50 ショパン/マズルカ作品59-2,3 

公開 15:00-15:50 ブラームス/6つのピアノ小品曲集作品118より第2番

公開 16:00-16:50 リスト/巡礼の年 第2年より「ペトラルカのソネット」第104番

~休憩~(40分)

公開 17:30-18:20 リスト/バラード第2番 

公開 18:30-19:20 グリンカ=バラキレフ/ひばり

公開 19:30-20:00 ラフマニノフ/楽興の時作品16-4

おもちゃ

四年前、長女の初クリスマスのために作った子供用キッチン。

その後次女が生まれ、二人から毎日使われているとさすがにボロボロになっていく。

この四年間についた色んな傷跡の一つ一つに思い出がある。けれどその間に子供たちは大きくなったのでさすがに何かしら手を加えた方がいいかもしれない。

今なお、しゃがみながらでも遊んでくれているのがとても嬉しい。

いま

長女は幼稚園、次女は昼寝、妻のクラリネットがピアノの部屋から聴こえてくる中、珈琲を片手にベートーヴェンについて調べている。外を見ると森の向こうに鳥が飛んでいる。空は青くて眩しい。とても静かだ。後1時間もしたら長女が帰宅、次女は目を覚まし、寝る瞬間まで騒ぐだろう。今夜はお鍋の予定。子供達の勢いはとどまることを知らず、お風呂も凄いことになりそうだ。けどそれがいい。夜、子供達の寝顔を見るといつも「ありがとう」と感謝を思う。そして何故か目頭が熱くなる。

妻が練習しているシューマンがなんとも切なく美しい。3つのロマンス。…さて、続きを読もう。

東大でのシンポジウム

今年度最後の大学レッスンを終え、東大は福武ホールでのシンポジウムへ。東京大学日本・アジアに関する教育研究ネットワーク主催「アジアを知る-エジプト映画『678』から」に参加。

映画からみる中東社会の変容を3人の(専門分野の違う)コメンテーターの興味深い見解をもとに素晴らしい議論の展開を魅せています。とても勉強になると同時に、世界の多様な価値観、文化を改めて強く思いました。

1つの映画を様々な分野から観察し、社会のあらゆる要素と結び付け合いながら分析、解釈を述べていく様は、一ピアニストとしてはまるでベートーヴェンピアノソナタを軸に話を展開している様にも見えたり。

1つの音楽作品を演奏すること。地中深く広がる根(興味、経験)がたくさんの栄養(学び)を吸って素敵な花(作品)を咲かせる(演奏)のかと。全ては繋がっているからこそ、生きていることに不必要なことなどないのかと。

エドウィン・フィッシャーの「芸術と人生」を思い出しました。

答えのない講義、集大成

末永が音楽監督を務めている舞台「屋根にひびく雨の音」。とうとう明日となりました。

東工大の学生たちを主体に繰り広げられ「舞踏、美術、音」のコラボレーション。末永のチームはピアノでの即興。ピアノの弾けないほとんどの学生たちが「表現」「創造性」について探求し、答えのない講義の集大成として発表に参加します。「表現」それはすなわち「生きること」。様々な思いや感覚を舞台の空間に投げかけます。そんな学生たちを是非観に来てください。

入場無料。ご興味ある方は是非お越しください。公演時間は約30分ほどです。その後聴衆の方々を含んでの質疑応答が予定されています。

追加公開レッスン決定


先日の公開レッスン無事終了しました。約10時間は長丁場でしたが、最初から最後まで聴講の方々も熱心に聴いてくださりノートもとられ白熱した時間となりました。将来ピアニストを目指す子達や愛好者の方々など「一緒」になっての企画はありそうでありません。様々なレベルの方々が互いに聴き合い披露するのはとても勉強になると思っています。

そして嬉しいことに、お陰様を持ちまして「2/13」に追加公開レッスンが決定となりました。多くの方にご興味を持って頂き大変嬉しく思っております。全ての関係者に心から感謝申し上げます。まだ数枠可能とのことなので、ご参加希望の方は末永か主催者(ユーロピアノ㈱武蔵ホール)まで直接お申し込みください。ご連絡をお待ちしています!

ユーロピアノ㈱武蔵ホール
TEL. 04 2962 5668
EMAIL  muh@euro-piano.co.jp



10時間公開レッスン

明日16日は武蔵ホールで公開レッスン。9:25〜19:30の約10時間。成田からヨーロッパに行けますね。ここまでの長時間に及ぶ公開レッスンは初めてですが、皆様とこのような時間を共有出来ることに大変嬉しく、楽しみに思っております。

14:00〜15:50、19:00〜19:30以外は公開です。ご興味ある方は気軽にお立ち寄りください。ご質問等ございましたら気軽に武蔵ホール(チラシ画像参照)までご連絡下さい。

【プログラム】

●9:25- 9:55
ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」2楽章

●10:00-10:50
シューベルト:即興曲 op.142-3
ラフマニノフ:楽興の時 op.16-4

●11:00-11:50
リスト:2つの演奏会用練習曲より「森のささやき」
(メンデルスゾーン:7つの性格的な小品 op.7より第2番)

●13:00-13:50
リスト:リゴレットパラフレーズ
ドビュッシー:12の練習曲集より第1番

●16:00-16:50
ショパン: ノクターン7番

●17:00-17:50
プロコフィエフ:風刺(サルカズム)op.17

●18:00-18:50
ドビュッシー:ベルガマスク組曲より「月の光」

鍵盤楽器って面白い

先日、チェンバロ奏者の渡邉順生先生のご自宅に伺わせて頂きました。

渡邊順生先生と

渡邊先生は古楽で日本の第一線で活躍されている、僕にとっては雲の上の存在。その先生のご自宅に伺い、実際にフォルテピアノ(今のピアノの前身)に触れつつ、様々な話を拝聴できることは極上のひと時でもあります。

ナネッテ・シュトライヒャーのフォルテピアノ(181?年)のオリジナルは確か日本には2台程度しかなかったかと。その一台が目の前にあり、とにかくベートーヴェンを弾き続け何度時間よ止まれと思ったか。作品のイメージにとても刺激をもらいました。

ナネッテ・シュトライヒャーのフォルテピアノ
もう一つはショパンがマヨルカで使用していた同型のプレイエルのピアニーノ(1838年オリジナル)でノクターン、プレリュード、エチュードを弾きました。楽器の音自体が豊かな表現を有しているので、奏者がその瞬間瞬間に香り立つ音色と対話しながら、(例え楽譜があろうと)もはや即興的に音楽が生まれてくるのを実感します。

プレイエル
モーツァルトやベートーヴェンの自筆譜を見ながら、いくつかの版を見比べて渡邊先生のご意見を拝聴したり。自筆譜ファクシミリを所有すべき重要性を身にしみて感じました。

例えばベートーヴェンの第九の自筆譜はこんな感じです。ベルリン国立図書館に収蔵されていてユネスコ記憶遺産にも指定されています。自由に閲覧可能。

http://beethoven.staatsbibliothek-berlin.de/beethoven/de/sinfonien/9/1/1.html

その後汐留にあるベヒシュタインサロンに移動し打ち合わせ。そこになんと昨年池袋の芸劇で使用したベヒシュタインD282、所沢ミューズで使用したベヒシュタインB212が置いてありました。楽器にはそれぞれ思い出があります。その節はお世話になりました、と楽器を撫でつつ。しかも隣同士に揃っての嬉しい再会!いやいや、ほんと嬉しいなぁ…。苦楽を共にした昔の仲間に会った感じです。

(左)Bechstein D282
(右)Bechstein B212
ピアノと言っても色々とあります。 しかしその「色々」が充分に認識されていないのも事実。楽しめる大切な部分が蔑ろにされていると言っても過言ではありません。日本がもっと色んなピアノを「当たり前に」弾ける環境※になることを強く願っています。

※これについては後日記事を書こうと思っています。

東京と大阪でのコンサートについて(詳細未定)


昨日の音楽関係新年会で寝不足です。

今日は朝からコンサートの打ち合わせ。クラリネットとのデュオでコンセプトやプログラムを話し合い。ここの瞬間が一番わくわくします。コンサートが形作り始める瞬間。ソロやデュオのコンサートで東京、大阪が予定されているので、詳細が決まり次第お知らせします。

今年は一体どんな年になるのだろう?と、すでに動き始めているプロジェクトなどを思うと鼓動が高まります。様々なことを、まるで複雑に絡み合う小さな歯車を調整するようにゆっくりと丁寧に進めていかなければなりません。うーん、スタッフを一人雇いたい・・・。

夕方には自宅でレッスンがあり素晴らしいシューマン「3つのロマンス」を聴かせてくれました。室内楽のレッスンは本当に楽しい。あらゆる知識と経験が必要となります。

毎日が違った色彩を帯びてあっという間に過ぎ去ってしまいます。それでも日々の生活の中にある「オフの瞬間」は大切にしています。と言うことでゆっくり珈琲でも淹れますか・・・^-^

温かい大学。

15時くらいに大学の購買ではパンが焼き上がる。結構人気があって遅れて行くとすでに完売の時も。レッスンが一区切りついて、パンを購入。夕暮れを見ながらコーヒーと共に味わう焼きたてのパンは幸せな気持ちになります。言葉を借りるなら正に「小確幸」。小さくとも確実な幸せ。

大学のエレベーター内…

大学関係者「お疲れ様です、末永先生。これから引き続きレッスンですか?」

僕「これから焼きたてのパンを買いに行くところです」

…なんとも心穏やかな今です。

『屋根に響く雨の音』

再来週1/20(水)に控えている舞台「屋根に響く雨の音」(19:00〜東工大大岡山キャンパス西9号館ディジタル多目的ホール)。講義を受講している学生たちと共に創ります。舞踏、美術、音のコラボレーション。末永クラスは即興が軸に。

僕は音楽監督を務めますが演奏にも少しだけ参加。学生たちとアイデアを出しながらの初合同練習。本当に楽しい。アンテナを張り巡らせ感覚を研ぎ澄ます。そして自分の音を探す。コラボレーション特有の対話がそこには在ります。

美術のマイヤー先生はドイツ人でベルリン芸大出身の大先輩。舞踏の伊藤先生は国際的に活躍されている素晴らしいアーティスト。とても刺激をもらうし勉強になります。使用ピアノは藝大から寄贈された1923年製のベヒシュタインのフルコン。

今日も覚醒してしまいました。

【公開レッスン追加2/13】

Bechstein D280 (右)

お陰様をもちまして、公開レッスンの追加日が決定致しました。一定の人数に達したら「2/13」に行われます。場所はベヒシュタインのフルコンが入っている武蔵ホールです。ご興味ある方は武蔵ホール、または末永(メッセージなど)に直接連絡頂けましたら幸いです。あと数名枠があります。
武蔵ホール
04-2962-5668
muh@euro-piano.co.jp

謹賀新年


あけましておめでとうございます。

昨年は多くの方々に様々な形でお世話になり、お陰さまで一つの足跡を残せたかと思います。「感謝」の一言は毎年思うことであり、その気持ちは消えることなく、むしろその意味の深さを日に日に強く感じる今日この頃です。この場をお借りして深く御礼申し上げます。

また、様々な経験をさせて頂きましたが、同時に「自分の未熟さ」を痛感する日々でもありました。いつまでピアノを弾き続けていられるかはわかりませんが、可能な限り探求し続けて行きたいです。

「したい」「しなくてはならない」「した方がよい」の3つの気持ちが最大限に高まっている今、2016年にどういう道を切り開いていくか、自分自身でも楽しみにしているところです。しかし、あまりにも大きく蠢く感覚の渦のようなものがそこには在り、一歩一歩踏み出すことに大きなパワーと精神、勇気が必要でもあると感じます。

あらゆることを辿っていくと、やはりそこは「練習」に行き着きます。日々の探求、練習があらゆる活動に通ずるのかと。

2016年はコンサートはもちろんのこと、教育、研究にも特別に深く従事する年に、そして2017年を迎えたとき「自分なりの足跡を残せた」と自然体で思えるよう、そして心から「感謝」を思い抱き続けられるよう今を精一杯に生きていきたいと思います。

今年も宜しくお願い申し上げます。

2016年1月2日 末永匡